出会い系における「架空請求」
国民生活センターの資料によると、架空請求をめぐる相談件数は一度は減少したものの、平成28年度は再び上昇に転じています。
出会い系アプリでも架空請求の被害相談が一部でありますが、全体的にはアダルト動画コンテンツが中心で、実際に登録した出会い系アプリから架空請求されるケースは非常に少ないです。
ここでは、出会い系と架空請求の関係や、対処法について紹介しています。
架空請求には次の3つのパターンがあります。
- 全く利用した形跡がないユーザーに対して請求を行う
- ワンクリック詐欺、ツークリック詐欺
- 登録したサービスからの請求
架空請求の大半は、利用した形跡のないユーザーに対しての完全にサービス提供の実態のない架空請求です。
ネットのアダルトコンテンツや、出会い系サービスを一度は利用したことがあったり、広告や誘導URLから誤ってアクセスした経験は誰しもが持っているもです。
ワンクリック詐欺の場合でも、URLをクリックしただけでは、個人情報が漏洩することはありません。
スマホや携帯電話の場合、IPアドレスから分かるのは携帯キャリアくらいです。
架空請求のほとんどは、どこかから仕入れたメールアドレスや電話番号を利用して行っています。
「あなたは、当サイトのアダルトコンテンツを利用して料金が発生しています」と適当に架空の話で請求を行うと、それを受け取った人は、全く関係のないアダルトコンテンツを思い浮かべて、あの時間違ってクリックしてしまったサイトなのかな?と都合の良い推測をします。
そして、自分が利用してしまったものだと思い込んだ被害者は請求先に連絡して、指定された金額を払ってしまうというのが一般的な流れです。
男女問わず、出会い系コンテンツよりも、アダルト動画の方が軽い気持ちで利用してしまう方が多いです。
そのため、架空請求は出会い系ではなく、アダルト動画閲覧を理由にしたものが大多数を占めています。
出会い系アプリは前払いが主流
出会い系アプリの料金形態は前払いのポイント課金制や、当月分・翌月分を前払いしていく定額制が主流です。
これは悪質出会い系アプリでも共通していて、料金後払いというのは業界の常識からは離れています。
2000年代前半の出会い系全盛期では、料金後払い制のサービスや、完全無料と告知して膨大な使用料を請求する架空請求トラブルも多数ありました。
一時期、悪質出会い系が社会問題になった経緯もあり、全ての出会い系で料金後払いという仕組みは廃止され、詐欺業者も事前課金で売上をあげようとしています。
つまり、料金完全前払い制であれば、架空請求の可能性はなくなっても、その他サクラを中心に悪質な出会い系アプリの可能性は残っています。
出会い系アプリの利用時は、架空請求よりも他の詐欺被害の可能性を懸念した方が良いでしょう
また、時代の変化によって、現在普及している悪質出会い系の大半はスマホアプリ化されています。
スマホアプリの場合、AppleやGoogleを通じてアプリをリリースしているので、架空請求などの悪質な詐欺行為は通用しません。
架空請求という事に限定していえば、近年の出会い系アプリは全般的に安心して利用できます。
架空請求にあった場合
出会い系に限らず、架空請求はメールやWEBブラウザから、あなたの住所、電話番号、勤務先は把握しているとか、警察や裁判所を通じて法的措置を取る、自宅に内容証明郵便を送付するなどと言って脅してきますが、全てハッタリです。
初期段階の架空請求の目的は、利用者の情報収集と問い合わせをした実績を作る事です。
ビビったり、自分は関係ないと無実を証明したくて、架空請求で書かれている連絡先に問い合わせする行為は絶対にしてはいけません。
そうすると電話番号や本名など、いろいろな個人情報を巧みな誘導で聞き出されて、さらに架空請求が加速するでしょう。
メールアドレスや電話番号で他の個人情報が伝わることはありません。
架空請求の通知方法が、メールやWEB上だった場合、必ず無視してください。
もし、実際に電話が頻繁にかかってきたり、自宅に郵送物が届いた場合は、業者と直接交渉するのではなく、まずは国民生活センターに相談するとよいでしょう。